ベトナム国家銀行(中央銀行)が最近公布した通達によると、3月1日から各銀行は自行のATMカード利用者からATM利用手数料を徴収できるようになる。新たに規定された手数料は、現金引き出しが最大1000ドン(約4.2円)で、残金の確認や利用明細票の発行にも手数料を取られる。
これに対し、多くの消費者が反対の声を上げている。フェイスブックなどのソーシャルネットワーク(SNS)上では、「ATMをボイコットする」と宣言する書き込みが目立つ。窓口で現金を引き出す消費者が一気に増えれば、各銀行はATM利用手数料の徴収を撤回せざるを得なくなるだろうと予想する人もいる。
ハノイ市の工業団地の工場で働くリンさんは「月収が290万ドン(約1万2200円)しかないのに、現金を引き出すたびに手数料を取られるのはかなわない。一度に全部下ろすしかない。本来なら給与を支払う企業から徴収するべき」と話す。
一方ホーチミン市在住のヒエンさんは、「故障で使えなかったり、週末や祭日前に現金不足でATMが取扱中止になったりする現状を改善して欲しい」と話し、サービスの充実を条件に手数料徴収には反対しない考えを示した。